キャッシュバックに消費税はかかる?所得税も簡単解説【MNP】

キャッシュバックに消費税はかかる?所得税も簡単解説【MNP】

携帯乗り換えの際に「キャッシュバック」を受け取った場合、消費税や所得税は課せられるのでしょうか?

結論からいうと、個人利用の目的でキャッシュバックを受け取った場合には、消費税、所得税ともにかからない可能性が高いです。

そこで今回は、なぜキャッシュバックに消費税がかからないのか、そして受け取ったキャッシュバックは所得税に影響するのかを初心者向けにわかりやすく解説します。

税金の話を正しく理解して、安心して高額キャッシュバックのあるキャンペーンを利用しましょう。

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キャッシュバックに消費税はかかる?

例えばスマホのMNP、クレジットカードなどでキャッシュバックをもらった場合、消費税が発生するのか問われるとわからない方も多いのではないでしょうか?

ここでは、消費税の基本である区分、キャッシュバックに消費税が発生するのか詳しく解説します。

まずは取引の種類・消費税の区分を解説

そもそも、取引には下記の4つがあります。

  • 課税取引
  • 非課税取引
  • 免税取引
  • 不課税取引

課税取引は消費税がかかる取引であり、残りの3つには消費税は発生しません。

非課税取引とは有価証券等の譲渡、介護保険サービスの提供などが該当し、消費税の性質上、課税するのが好ましくないと判断された取引のことです。

免税取引ですが、わかりやすい例をあげれば、免税店での取引がこれに該当します。

個人事業主や法人の免税取引について説明すると混乱させてしまうため、今回は割愛させていただきます。

最後の不課税取引とは、課税対象に該当しないものです。

課税対象となるには以下4要件の全てに該当することが必要です。

  • 国内において行うもの
  • 事業者が事業として行うもの
  • 対価を得て行うもの
  • 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供

事業として行われていないものの例としては、祝い金などの支払いなどが挙げられます。

このように4つの区分があり、取引によって消費税が課税されるかが決まります。

キャッシュバックに消費税はかかるのか

携帯乗り換えなどのキャッシュバックは、課税対象となる4要件の中の「事業者が事業として行うもの」に基本的に該当せず、不課税取引となるため、消費税を納める必要はありません。

仮に、個人でキャッシュバックを事業として行っている方がいれば、課税の対象となりますが、基本的に事業としているはいないでしょう。

キャッシュバック受け取りで重要な所得税の話

結論からいえば、キャッシュバックとほかの一時所得の合計が90万円を超えない場合、確定申告は不要です。

そのため、副業などで一定の収入を得ている方を除けば所得税についてもかからない可能性が高いです。

ただし、所得税に関しての理解を深めるには基本を押さえておく必要があります。

この章では、そもそも所得税がどういったものなのか、どのような計算方法で求めるのかご紹介します。

そもそも所得税とは何?

そもそも所得税とは、個人の所得に対してかかる税金です。

1月1日から12月31日までの1年間の所得から所得控除と経費を差し引いた残りの所得金額に、所得税率を掛けて所得税は計算されます。

所得税は個人事業主、会社員のどちらも納めなければなりません。

会社員の給与に対してかかる所得税は、会社が従業員から源泉徴収し代わりに納付します。

ただし個人事業主は確定申告の期限までに各自で所得税を計算し納めなければいけません。

所得区分によって課税額の計算方法が異なる

所得税を求める際は、最初に所得区分を把握する必要があります。
これは、所得区分によって計算方法が異なるためです。

ここでは、所得区分の種類と所得税の計算式をご紹介します。

所得区分の種類

所得は表の10種類に区分できます。
あらかじめそれぞれの区分を把握しておきましょう。

確定申告をする際は、所得区分ができないと正確な所得額を求められません。
キャッシュバックをこの所得区分で分類すると、基本的に一時的な所得に区分されるため「一時所得」に該当します。

所得区分 性質
利子所得 利子所得とは、預貯金や公社債の利子、合同運用信託の収益の分配などによる所得を指します。
配当所得 配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当、投資信託などの収益の分配などによる所得を指します。
不動産所得 不動産所得とは、土地や建物などの不動産、船舶や航空機の貸付けなどによって得られた所得を指します。
事業所得 事業所得とは、農業、卸売業、小売業やサービス業などの事業から生ずる所得を指します。
(※不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は別区分)
給与所得 給与所得とは、勤務先からもらえる給料、賞与などの収入を指します。
退職所得 退職所得とは、退職によって勤務先から支払われる退職手当などの所得を指します。
山林所得 山林所得とは、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡したりして生じる所得のことを指します。
(※山林を取得してから5年以内に伐採または譲渡して得た所得は、 事業所得または雑所得に区分される)
譲渡所得 譲渡所得とは、土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡して得た所得を指します。
(※事業用の商品などの棚卸資産、山林などの譲渡による所得は例外)
一時所得 一時所得とは、これまで紹介した区分に該当せず、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものを指します。

・懸賞金や競馬や競輪などで得た収入
・満期保険といった満期返戻金

雑所得 雑所得とは、これまでに紹介した区分に該当しない所得を指します。
公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得が雑所得に該当します。

一時所得で支払う所得税の計算式

一時所得で支払う所得税の計算式は、下記の通りです。

  • 所得税=課税所得×税率-控除額

所得税を求める前に、まずは1月から12月までの収入を求める必要があります。

注意点として、個人事業主で2022年12月に働いて報酬が2023年1月に入金された場合、1月に入金されたものは去年の収入になり、今年の収入には含まれません。

続いて、収入から経費を差し引きます。
個人事業主は収入から経費、会社員は代わりに給与所得控除を差し引いてください。

さらに収入から経費を引いて求めた所得金額から所得控除額を差し引き、課税所得額を求めます。

課税所得額は所得税の区分によって異なるため、あらかじめそれぞれの要件を確認しておきましょう。

最後に下記の表に基づいて、所得税率をかけて所得税額を算出します。
算出した所得税額から税額控除額を引いて、所得税の計算が終了です。

なお、平成25年1月1日から令和19年12月31日までの所得については、復興特別所得税を支払う必要があります。
所得税額に2.1%を掛けて、復興特別所得税額を求めてください。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

個人なら所得税がかかる可能性はほぼない

個人なら所得税が掛かる可能性はほとんどありません。
理由としては、下記の2点が挙げられます。

  • 一時所得は特別控除額50万円の控除があるため
  • 一時所得の合計が90万円以内なら確定申告が不要なため

それぞれの項目を詳しく解説します。

一時所得は特別控除額50万円の控除

一時所得は所得金額の計算をするうえで、特別控除額50万円の控除を受けられます。

簡単にいえば、臨時の収入があったとしても、年間50万円以下であれば、税金はかからないということです。

さらに、携帯電話のキャッシュバックの場合は経費との差し引き分も含めてになるため、課税対象となるキャッシュバック金額は本体代金との相殺して残った分のみです。

一時所得の合計が90万円以内なら確定申告不要!

会社より給料をもらっている会社員の場合は、給料以外の所得金額が年間20万円を超えない場合には確定申告をする必要はありません。

所得税の計算上、給与以外の所得金額が20万円を超える場合とは、一時所得の合計額が90万円を超えた場合です。

そのため、一時所得の合計が90万円以内であれば確定申告は不要です。

副業や個人事業主として収入を得ている方を除けば、携帯のキャッシュバックなどの臨時収入で90万円を超えるケースはほとんどありません。

そのため、キャッシュバックで数万円もらったからといって、税金を納める義務が発生するのかついて心配しなくていいです。

ただし、医療費控除や寄付金控除を受けたい場合は、一時所得が20万円以下であっても確定申告が必要であるため注意しましょう。

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まとめ

本記事では、キャッシュバックと消費税・所得税との関係について解説しました。

結論としては、携帯電話の個人契約におけるキャッシュバックに対して消費税や所得税がかかることはほとんどありません。

ただし、法人や個人事業が事業用として携帯電話を購入した際のキャッシュバックは、税の支払いの対象になる可能性があります。

個人事業主の場合、事業用とプライベート用との区別が曖昧なため、税務署の担当者などの専門家の意見を確認しながら、税の申告漏れにならないように慎重に対応しましょう。

税金の対象にならない場合はもちろん、例え対象になった場合でも、キャッシュバックを受け取れる契約の方がお得です。

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